第7回 桜と2つの美術館

(H17.4.28)

今回は、桜情報ではなく、建築物の設計と桜について、感じるところを、感じるままに書いてみました。

京都に岡崎公園という都市計画でつくった文化ゾーンがあります。
平安神宮を中心に、美術館、図書館、動物園、市民会館、勧業館、芸術大学などがあります。

東京で言えば、上野公園ですが、上野のように外国人に占領されてはいません。

京都市民にとっては、憩いの空間であり、春は疎水に沿って、桜の名所でもあります。

平安神宮の鳥居の左右に、まるで対の狛犬のように2つの美術館があります。

平安神宮に向かって右側が、京都市立美術館です。
昭和8年に東京都美術館に次ぐ日本で二番目の大規模公立美術館として建設されました。

この建物の外観と桜がマッチしているということで、絵葉書にもなっています。
手前の川が、明治時代につくったかの有名な疎水です。

一方、向かって左が国立近代美術館です。
以前あった、味のある建物が、老朽化および手狭になったということで、バブル経済の最盛期に、建築家によって建て替えられました。
見てください!せっかくがんばって咲いてくれた桜が死んでいませんか?
ここはまさしく、桜の名所だったはずなのに!

設計コンペで時の文部省が決定したのでしょうが、ここにくるたびに腹立たしくなります。

この疎水べりは、京都の桜の名所の一つということは、誰もが知っている事実です。
建物を設計する際は、自分の好みだけではなく、周囲の環境や四季の移り変わりを理解して、それから設計するものではないでしょうか。

もちろん、採用した方にも問題がありますが。

まちには、それぞれ表情があります。
岡崎公園は、岡崎公園としての表情がありました。
周囲の雄大な景色と市民にとってのその場所の意味を、ちょっとでも考えて設計すれば、日本のまちは、もう少し美しくなったのかもしれません。

建物が新しくなるたびに、本当は、まちも美しくなっていかなければいけないはずなのに、最近、逆なような気がしているのは私だけでしょうか。

日本では、大学の建築学部は、ほとんど工学部の一部、つまり理科系として扱われていますが、本来建築は、文化・芸術・法律も同時に勉強しなければいけない学問です。
現代の建築家は、もっと自分を磨け!!
資格を取ってからも、多方面の勉強をしろ!!

今回は、ちょっと愚痴ってしまいました。

桜の季節になると必ずこのことを誰かに訴えたくなります。
このホームページをつくった一つの動機でもあるテーマでした。

それにしても、昭和のはじめの建築物の方が、レベルが高く感じてしまうのは、なぜなんでしょうか?