第9回 京の看板文化

(H17.7.10)

東京や大阪に比べ、京都の町並みがなんとなく落ち着くのは、建物の高さだけではなく、「看板」にあることに気がつきました。

「そばぼうろ」でおなじみの老舗菓子店の看板です。
京都には、この様な一枚板の看板を掲げた店が非常に多く、中には魯山人や武者小路などの筆によるものもあるそうです。

老舗だけでなく、最近出来た新しい店舗も、このテイストを参考にした店が多いです。

これは大阪の心斎橋の有名な景色です。
京都にはこのような、景色が少ないのです。だから、落ち着くのでしょうか。

勿論、これはこれで大阪の文化的景色で、エネルギーを感じる景色です。
しかし、東京や大阪と違い、京都は繁華街と人の住む町の分離が緩やかです。
しかも、これからは、日本全国どこのまちも、まちの中心に人を戻さなければいけない時代です。
したがって、ビジネス性と日常生活の融合を、今以上に意識しなければなりません。
そういう意味で、看板は重要なまちづくりの要素になっています。

確か、東京の谷中も、看板統一運動を、まちづくりに取り入れていましたね。

七条通りの仏具屋さんの看板です。
昔、市電の窓から見える景色は、こんな感じの連続でした。


お酒屋さんの看板です。
確かに一見しただけでは、何を売っている店か分かりにくいですが、それが老舗の値打ちであり、それで十分だったのでしょうか。

京都は、このように正面に立ってはじめて分かる「正面看板」だけの店が多く、道行く人に対する、「張り出し看板」が少ないことに気づきました。

このことが、まちを歩いていて気持ちの良い重要な要因でもあるように思います。
知人にこの話をすると、ロンドンもそうだったといっていました。

看板が素敵なのは、何も老舗だけではありません。
職人さんの町にも、こんな粋なのがありました。
これで十分何屋さんかが分かりますね。

この筆専門店は、この「筆看板」しかありませんでした。
職人にとって、屋号は、ニの次でよいのでしょう。

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この町屋の前を通った時、玄関横にかかるフォークの看板が目に入りました。

一体、ここは、何だと思います?
実は、イタリアンレストランなのです。
これこそ、知らない人は、入れませんね。
しかし、一度知った人は、その味だけで、リピーターになるようです。

もっとも、このような点が、京都人の「一見さんお断り気質」、つまりプライドが高すぎると非難、誤解される部分でもありますが、周辺の住民に対する「マナー」と捉えれば、素敵な行動ではないでしょうか。

ちなみに、玄関横に店の「名刺」が置かれており、それを見れば、ランチ情報など必要な情報は十分分かりました。

お見事でした!