第12回 町の中のお地蔵さん

(H17.8.3)

お地蔵さんといえば、子供の守護神というイメージがあります。昔は子供の死亡率が高かったので、お地蔵さんは、町内の子供を守る仏様としておかれたという言い伝えがあります。また、子供を亡くした親の心の置き所でもあったともいわれます。

しかし、或るお坊さんの話によれば、お地蔵さんは本来、子供に限らず、市民の日常生活の中のよろず相談仏だそうで、もっともお呼びがかかる忙しい仏だそうです。
位は観音様と同じ高位の仏様ですが、あまりに忙しく、装飾もつける暇がないのだそうです。
知ってました?

京都の町並みの特徴の一つといってもよいでしょう。各町内ごとに、必ずお地蔵さんをまつってあります。

お寺が管理しているのではなく、町内会で管理されています。

昔はこんな鉄格子はなかったのですよ。お供え物を取って食べる者はいても、お地蔵さんにいたずらする者などいませんでしたからね。
でも最近は、ごらんの通り・・・。

コレクターでもいるのでしょうか?
情けない世の中になったものです。

保存場所は、町内の中の一軒が、土地を提供して祠(ほこら)をつくり、代々保存してきました。

土地は提供しますが、お地蔵さんの所有権は、あくまで町内の共用財産です。

皆さん自主的に掃除をし、花を手向けています。

このお宅も、敷地の角を提供なさっていますね。
まさに、このお宅のコミュニティー意識の継承を感じます。

ここは堀川通りの歩道上です。
由緒のありそうなお地蔵さんですね。

普通、お地蔵さんは石で作られていますが、このお地蔵さんは、江戸時代の木彫りだそうです。

バブル経済時代、地上げされ、町の中がビルだらけになり、お地蔵さんの居場所がなくなるという問題が出ました。

しかし、心あるビルの所有者が、町内のお地蔵さんの安置場所を提供してくれています。

このビルもそんな一つです。

お地蔵さんの顔を、町内の子供たちの手でお化粧してあげるという風習があるそうです。

このお地蔵さん、かわいいですね。

毎年、お盆の後、8月の25日前後の土日2日間に渡り、お地蔵さんを囲んで、子供たちのお祭り「地蔵盆」が、各町内で行われます。町内の子供たちが、一日お地蔵さんの前で、遊ぶのです。
是非その頃の京都もご覧になってはいかがでしょうか。

もっとも、最近、町中から子供がいなくなってしまい、開催できない町内も多いのですよ。
ちょっと寂しい気がします。