第27回「人口減少問題に思う」
(H18.1.17)
昨年末、予測より早く、日本の人口減少化が始まったことが分かりました。
私が小学生のころ、日本の人口が1億人を突破したと習った記憶があります。
それからも、増えるのが当たり前のように、1億3千万人弱にまで、右肩上がりに増加していきました。
最近でこそ話題を呼んでいますが、減少化については、今までほとんど話題にもならず、10年以上前の予測では、2025年ごろ、5年前の予測では、2013年ごろ・・・1年前の予測では、2007年ごろに減少化が始まるかも、というニュースが、たまに報道されていましたものです。ところが昨年末、2004年に日本の人口が減少に転化していたことが分かりました。
この調子で行くと、2100年ごろには、日本の人口は、6000万人に半減するということです。
その最大の原因は、少子化ということで、まるで悪い方向に向かっているような報道ぶりです。
政府も、税収確保に躍起で、まさにこの減少化にストップをかけるような政策を打ち出しています。
何故、人口が減少したのかを俯瞰してみると、
・過去の一時期、不自然に人口が増えたことによる反動
・国土の広さに比べ、人口が増えすぎたことによる反動
が、考えられます。
つまり、この減少化は、単に適正な増加率の状態に、戻ろうとしているだけではないでしょうか。
何せ、この宇宙及びその一部の地球は、人間の永遠の反映のためにつくられた空間では、ありませんからね。
江戸時代末期というか、明治の初め、坂本竜馬や新撰組がいたころの日本の人口は、約3000万人でした。
都市には、乞食もいましたが、飢饉などの自然災害以外では、餓死者はいなかったといいます。
京から江戸に行くのに約1ヶ月間、路銀を持たなくても、自然の食物で飢えをしのいでたどり着けたといいます。
つまり、自然界の許容量における人間という動物の数に余裕があったのでしょう。
その後、戦争のために「産めよ増やせよ」と啓発し、大正時代には、6千万人になりました。
でも、まだまだ、余裕があったと見えて、人が住めないような地盤の悪いところに無理やり家を建てるようなことはしませんでした。
今、日本において、経済成長率も、人口問題も、緩やかな右肩上がりに戻すべきという理論が、まさに正論のように、その対策とともに議論されています。
私は、10年以上前から思っているのですが、長いスパンで見た時の指標が、横ばいまたは、緩やかな右肩上がりにすることは、文化の維持という観点からも重要な要素であると思います。
しかし、現在の日本、とりわけ戦後の60年の日本は、人口だけでなくすべての面での成長を、強い特効薬を使って、急激な上昇カーブを政策的に作り上げてきました。
そして、数十年たって、耐え切れず、自然成長率をオーバーした分が、自然の上昇カーブに戻ろうとしているだけのことではないでしょうか。
その証拠に、日本の勤労者は、世界一の高額所得を取っているにもかかわらず、決して豊かな生活とはいえません。
アメリカの大卒の勤労者でも、平均所得が400〜600万円(1千万円以上の所得者は5%)、それでも日本より豊かな住環境を確保し、普通の生活をしています。
日本はといえば、1千万円以上の所得者はサラリーマンでも、ざらにおりますが、とても豊かな生活環境とはいえません。
その代わり、新車を持ち、高級ブランド品を持っている、若者がいっぱいいるのですから、お金の使い方そもそも違ってきています。
「デフレは、最大の悪である」と、経済学者は言いますが、長い目で見た時のデフレや急激なデフレスパイラルは失政ですが、狂った成長ラインを修正に向かおうとする力は、自然の成り行きです。
それを無理やり、カンフル剤で阻止しようとしても、それは、単なるバブル経済の構築に過ぎません(ただし、緩やかに下降させる政策は必要)。
人口も、経済も、自然の成長ライン、つまり、丁度良いレベルになろうとしています。
それを「悪」とは捉えず、いかにそのラインまでソフトランディングできるかを考えるのが、現代の日本人に課せられた命題だと考えます。
何故「悪」といわなければならないかは、現在のシステム(税収や年金など)は、人口及び経済の右肩上がりを前提にできているからというだけのことです。
つまり、自然成長ライン及び人口構成に戻すための政策転換が、真の意味での「改革」なのです。
本当のところ、土地と住宅建築の値段は、日本はまだまだ世界的に見て高すぎます。
今回の姉歯事件のように、安く提供するためには、不法行為をしなければいけないということの方が問題であり、値段が安くなっていることが、問題なのではないということに、早く気づきましょう。
日本の人口が、1億人を切るぐらいになれば、皆が土地を共有でき、ワークシェアリングも自然にできるとしたら、その時のための政策を今から始めるべきだと思います。
さて、日本の若者が、「種を残したい」と思うようになるための適正人口は、いったいどれぐらいなのでしょうか?
