第61回「賃貸住宅の更新料是非裁判」

(H20.1.30)

京都地方裁判所で、全国初の賃貸住宅契約の更新料の是非を争った注目の裁判の判決が出ました。

判決の結果は、「更新料は家賃の一部前払いにあたり違法性はない」というものでした。

更新料の問題は、私が主宰する「住宅ねっと相談室」でも、頻繁に相談があり、そのたびに「判例がないから」と、私見を述べた程度で、お茶を濁すような回答しかできなかった問題です。

そんな世論が、全国的に高まり、各地で裁判提起のブームが起こり、今回の京都地裁の判決は、そのトップバッターだったのです。

京都では、弁護士会が肯定派と否定派に二分して、士会あげて戦ってきました。

更新料とは、不動産の賃貸借契約の更新時に、賃料とは別に賃貸人が賃借人に請求する金額で、概ね家賃の1か月分が相場です。

昔は、更新期間が長く、また次の契約期間の途中での賃料値上げもしにくかったということから、更新料というものが自然発生的に誕生したという背景があります。
もっとも、この更新料の定義と期限は定かでなく、土地によっても慣習が異なります。

このあいまいさが、是非論争を複雑にしている要因でもあります。

現実はというと、最近の居住用建物の賃貸借契約の契約期間は、昔と比べ短くなっています。2年ぐらいが多いでしょうか。

そして、更新料制度だけが依然と存在している地域では、2年ごとに家賃1ヶ月あるいは2ヶ月分の更新料を払わなければなりません。
しかも、更新手数料という名目で、さらに半月分から1か月分の手数料(仲介業者が取る)を取るところも珍しくありません。

唯でさえ、30年前に比べ家賃相場が上がっているというのに、このプラス負担は、生活者にとって、痛い出費です。

更新料肯定派は、更新料がなければ、単に通常の家賃にその分を上乗せして値上げするだけだから、なんら問題ないという主張です。

否定派は、複雑なシステムで、家賃を安く見せる消費者に分かりにくい賃料体系で、携帯電話の使用料と同じだ!と反論しています。

私の意見は、勿論、更新料制度の否定です。

もっとも、昔のように長期間の契約期間ならそれなりに存在意義(家賃の値上げ抑制効果)があったのですが、今のような短期契約期間では、なんら意味もなく、意味がないどころか、貸主の横暴で、それに乗っかって、ついでに更新手数料(実際には何も手続なし)なるものをくすめて行く業者は、ハエアナのごときです。

そのそも、現代の大家は、努力せずに先祖がたまたま残してくれた不動産で、最大の利益を生みたいという輩が多く、世界一の長寿国家として日本の住宅問題の改善を重要課題と考えている私から言わせれば、何とかしなければいけない最大のポイントの一つです。


否定派の原告は、即日控訴しました。

たとえ地方裁判所レベルで違法認定判決が出たとしても、「たかだか地裁の裁判例だから」といわれるなら、この問題は、「最高裁まで行くべき社会問題の一つ」といえるのではないかとも思っています。

是非、今後もこの問題を注目していきましょう。

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