第1回 問題は地球の重力だ。
(H18.9.21)
地盤の話なのに、いきなり空の話題から。

スタジオジブリのアニメ作品に「天空の城ラピュタ」があります。イメージの原型は「ガリヴァー旅行記」第三章の飛行島ラピュータ(La puta)にあるそうですが、そもそも空中に浮遊する物体が現実にはありえないからこそ奇想の物語として人々の興味をかきたてるのでしょう。いくら科学が発達したからといって重力を自在にコントロールする技術をわれわれはいまだに持ち合わせてはいません。
※画像の出典
◆天空の城ラピュタ:スタジオジブリ壁紙httpghibli.thibros.com
◆リニアモーターカー:リニア中央新幹線ホームページ
http://www.linear-chuo-exp-cpf.gr.jp/
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◆リニアモーターカー:リニア中央新幹線ホームページ
http://www.linear-chuo-exp-cpf.gr.jp/

そうはいっても飛行機があるではないかという方がいるかもしれませんが、飛行機には前へと進む推進力が備わっていて、正面から受ける向い風を翼の形状によって揚力に変換しているのです。極端な言い方をすれば、常に墜落しつつある物体をかろうじて揚力が引っ張り上げることによって絶えず墜落が先延ばしされているといってもいいでしょう。リニアモーターカーという乗り物もあります。確かに地上から浮いていますが、あれは地球の重力よりも大きな磁力が発生しているからこそ浮いているので、電気をシャットダウンしてしまえばたちどころに浮力を失います。
なぜこのようなことを説明しているかというと、ラピュタほどではないにせよ住宅が地上からわずか数cmでも浮くことができれば、地盤が沈下することもなければ、地震で家屋が激しく振動することもないだろうと夢想するからです。もし本当にそうなってしまえば私のような地盤屋はすぐさま廃業の憂き目に遭うので、そうなるのも考えものですが、究極の免震は建物を浮かすことだと日ごろから大真面目で思っているのです。常温超伝導の技術が実用化されればそれも夢ではありません。最小のエネルギーで建物を浮かすことができるはずなのです。現在でも実験室の低温下(マイナス100度)では超伝導状態になる金属があることが分かっているものの、室温環境では確認されていません。まさか低温の液体ヘリウムで家屋を包み込むわけにはいかないし、できたとしても莫大なエネルギーが必要で、地球環境の危機に歯止めをかける省エネとかゼロエミッションの指向と相容れるわけがありません。
住宅やビル、橋梁やトンネルなどの構造物には重量があります。その重量を受け止め下から支えるのが「地盤」です。地球の重力を無視して浮遊する建物というのは、世界中どこを探してもないはずで、建物を構築しようとすればかならず地盤が必要となります。いまのところ(地盤屋としてはやれやれといった感じですが)建物と地盤は常にワンセットで不可分の関係にあります。建物の重量をガシッと受け止めてくれる地盤がなければ、建物は足場の支えを失って沈下するしかありません。
