第2回 地盤は現場で調達される

(H18.9.25)

縁の下の地盤は力持ち?

前回は建物には地盤が付き物だといいました。なぜごく当たり前のこんな話から始めたのかといえば、家を建てようとするときにひとは上物(建物)ばかりに気を取られて地盤には関心が及ばないのが常だからです。それにはわけがあります。目的地に到着するまで地盤は地続きで存在し、まるで空気のようにそこにあることをだれも不思議に思わないからです。たとえ現場に到着して歩き回ってもソファのようにフワフワと足元がすくわれるような異変は起こりません。身体感覚では目の前のどっしりとした大地が沈みこむことなど想像できないのです。

地盤は天然自然に形成され、工場生産されるものではありません。建築現場に行けば、かならずそこにあるものです。地盤を建材店に発注し現場に搬入するなどということがあるでしょうか。しかし、そこにこそ大きな錯誤が潜むことになるのです。すでに存在するので、そうとは見えませんが、地盤は建物に不可欠であるという意味で建材であり部材です。重量のある建物を下から支えるのが基礎であるとすれば、地盤はさらに最下層から基礎を支える部材なのです。

部材には機能があり、機能を発揮させるために品質と性能が備わっていなくてはなりません。建材であれば製品としての正規品であることを裏付ける保証書や仕様書が付いてきます。ところが、地盤にはそのような性能評価書がはじめから付いていません。不動産屋さんから買った土地の登記簿(重要事項説明書)には地盤の品質などどこにも書いてありませんよね。自然から与えられたものを無頓着に信用し、建物を載せて大丈夫な地盤かどうかの性能を評価せずに、ある意味では安心しきって施工を始めるのです。しかし、迂闊にもそのまま建物を載せ、思いがけず建物が沈下してしまうことが現実にはたくさん起こっているのです。