第4回 水溜りがあるとうれしいかも、という話。

(H18.9.27)

地表の様子を見て、地盤が軟弱かどうかを判断する手がかりがあるのをご存知でしょうか。

土地を下見に行くなら、雨天を選ぶのが、地盤という観点ではベストです。すべての地盤に当てはまるとは限りませんが、薄っすらと水溜りができていて、その水が澄んでいる地盤は、おおむね良好地盤と判断していいように思います。反対に、見る間に水が地面に吸い込まれているとか、ぬかるんで泥濘状態であれば要注意。

理由としては、新しく造成したての盛土地盤は締まりきっておらず、土の中には空隙がたくさん残っていて、水が通りやすいために吸い込みがいいということが、まず挙げられます。「雨降って地固まる」とはよく言ったもので、雨水が土中に降下する際に土の粒子を下に引っ張るために、幾度となく雨が降ることで次第に空隙が埋まり、水が浸透しにくくなる分、地表で水平にひろがり薄く水溜りを形成するのです。さらに、造成から長い年月が経過するにつれ、地面が雨後に乾燥するたびに、表面に薄い膜ができてパリッとするので、よけいに水を通しにくくなります。料理や趣味で陶芸をする方であれば経験的に理解ができると思いますが、パン生地などをしばらく寝かせておくあいだに、表面は硬くなっているにもかかわらず中がまだどろっとしているあの感触です。

それでも地盤がよい場所では、天気が回復するにつれて、雨水は蒸発するか緩慢に吸収され水溜りが何日も残るということはありません。ところが、もともと地盤が悪い場所では、そこが造成から数年を経過していたとしてもですが、水が浸み込みやすいというよりも、地下水位が高いために水の行き場がなく、いつまでも水溜りが残っているということがあります。何日か晴天続きなのに水溜りがあるのは、今度は危ない徴候です。

周囲よりも低い低地は、いったんは土中に吸い込まれた水が最後には集まってくる場所です。「水は低きに流れる」というのはものの道理のたとえですが、自然の摂理では水は決して高い場所に移動することはありません。周囲から水が流入してくる場所を、地形学では「集水地形」と呼びます。そんな溢れるほどの水が集まり地下水位が高くなる場所が、周囲よりも低い低地です。

実は、地下水位が高い場所、すなわち低地は地盤がきわめて軟弱です。物質の硬さを決定するのは、その物質にどれくらい水分が含まれているかが目安になります。カチカチの乾物は水で戻すと柔らかくなりますし、反対に水分を飛ばした干物は硬くて歯が立ちません。水がたくさん含まれている低地の地盤が軟弱だというのも自然の摂理なのです。
ちょっと大変ですが、土地を下見するついでに数十センチ地盤を掘ってみて、水が湧いてくるかどうかを確かめることをお勧めします。